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Science SUNDAY, JULY 12, 2026ED.193

宇宙の始まりは説明できるのか? 時間の謎に迫る宇宙論の最前線

Can We Explain the Beginning of the Universe? The Mystery of Time That Cosmology Faces

要約ようやくThe story in English

A deep dive into the cosmic puzzle of time and what existed before the Big Bang.

Can We Explain the Beginning of the Universe? The Mystery of Time That Cosmology Faces

The same story at several JLPT levels. Tap a level to switch, and all levels are free.

皆さんみなさん、こんにちは。田中たなかです。今日きょうは、宇宙うちゅうの始まりはじまりと時間じかんの不思議ふしぎについてお伝えおつたえします。宇宙うちゅうはどう始まっはじまったのでしょうか。そして、時間じかんとは何なにでしょうか。科学かがくの最新さいしんの研究けんきゅうから、この大きなおおきな謎なぞに迫りせまります。

第1章: ビッグバン ― 宇宙はどう始まったか?

現在げんざい、一番いちばん広くひろく受け入れうけいれられている宇宙うちゅうの始まりはじまりのモデルは「ビッグバン理論りろん」です。[3] この理論りろんによると、宇宙うちゅうは約やく138億おく年ねん前まえに、とても熱くあつくて、密度みつどが高いたかい状態じょうたいから急きゅうに大きくおおきくなり始めはじめました。[3][4] 「ビッグバン」という言葉ことばは大きなおおきな爆発ばくはつを思わおもわせますが、空間くうかんのある一いち点てんで爆発ばくはつが起きおきたのではありません。空間くうかんそのものが広がっひろがったのです。[3]

この理論りろんを支持しじする証拠しょうこはいくつもあります。遠くとおくの銀河ぎんがが私わたしたちから遠ざかっとおざかっていることや、宇宙うちゅうマイクロ波は背景はいけい放射ほうしゃという、宇宙うちゅう全体ぜんたいに残っのこっている古いふるい光ひかりなどです。[3] また、最初さいしょの数すう分間ふんかんで水素すいそやヘリウムなどの軽いかるい元素げんそが作らつくられたことも、理論りろんと合っあっています。[6]

しかし、ビッグバン理論りろんは宇宙うちゅうがどうやって始まっはじまったのかをすべて説明せつめいするわけではありません。[3] それは、最初さいしょの高温こうおん高密度こうみつどの状態じょうたいから現在げんざいの宇宙うちゅうへの進化しんかを説明せつめいしているだけです。時間じかんや空間くうかんがなぜ生まれうまれたのかは、まだわかっていません。[3]

第2章: 時間の始まり ― ビッグバンの前には何が?

アインシュタインの一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんを使うつかうと、宇宙うちゅうの始まりはじまりは「特異とくい点てん」という、密度みつどが無限むげん大だいになる点てんにたどりつきます。[3] しかし、特異とくい点てんでは物理ぶつりの法則ほうそくが破れやぶれてしまいます。つまり、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんだけでは宇宙うちゅうの最初さいしょの瞬間しゅんかんを正しくただしく記述きじゅつできないのです。[3]

この問題もんだいを解決かいけつするには、量子力学りょうしりきがくと一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんを組み合わせくみあわせた「量子りょうし重力じゅうりょく理論りろん」が必要ひつようです。[3] しかし、まだ完全かんぜんな理論りろんはありません。量子りょうし重力じゅうりょく理論りろんの研究けんきゅうの中なかで、時間じかんというものが不思議ふしぎな性質せいしつを持つもつことがわかってきました。たとえば、ウィーラー・ドウィット方程式ほうていしきでは、時間じかんは方程式ほうていしきから消えきえてしまいます。[2] これは、宇宙うちゅう全体ぜんたいを考えるかんがえると、時間じかんが基本きほん的てきなものではないかもしれないことを示ししめしています。[2]

また、ホーキング博士はかせたちが提案ていあんした「無む境界きょうかい仮説かせつ」という考え方かんがえかたもあります。[2] この仮説かせつでは、宇宙うちゅうの始まりはじまりは地球ちきゅうの北極ほっきょくのようなものだとされます。北極ほっきょくは特別とくべつな点てんですが、そこに「端はじ」や境界きょうかいはありません。同じおなじように、宇宙うちゅうには始まりはじまりがあるが、それは時間じかんの端はじではないかもしれないのです。[2]

第3章: 見えない最初の瞬間 ― 観測の壁

では、望遠鏡ぼうえんきょうでもっと昔むかしの宇宙うちゅうを見るみることはできるのでしょうか。残念ざんねんながら、光ひかりによる観測かんそくには大きなおおきな壁かべがあります。宇宙うちゅうが誕生たんじょうしてから約やく38万まん年間ねんかんは、宇宙うちゅうは高温こうおんのプラズマで満たさみたされていて、光ひかりはまっすぐに進めすすめませんでした。[2][6] それは、宇宙うちゅう全体ぜんたいが厚いあつい霧きりに包まつつまれているような状態じょうたいでした。[2] そのため、どんなに性能せいのうの良いよい望遠鏡ぼうえんきょうでも、38万まん年ねんより前まえの宇宙うちゅうの光ひかりを見るみることはできないのです。[2]

宇宙うちゅうマイクロ波は背景はいけい放射ほうしゃは、その「霧きり」が晴れはれたときに出でた光ひかりで、いちばん古いふるい光ひかりです。[2][3] これは、宇宙うちゅうが38万まん年ねんたったときの「写真しゃしん」ですが、誕生たんじょう直後ちょくごの写真しゃしんではありません。[2] 最近さいきんでは、ユークリッド宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうが、ビッグバンから約やく6億おく7000万まん年ねん後ごのクエーサーを発見はっけんしました。[1] これは宇宙うちゅうの夜明けよあけの時代じだいにあたり、最初さいしょの星ほしや銀河ぎんがが輝きかがやき始めはじめたころです。[1] しかし、それでもなお、宇宙うちゅうの始まりはじまりの瞬間しゅんかんからは遠いとおいのです。

第4章: 宇宙の前の宇宙? ― さまざまな仮説

それでは、ビッグバンの前まえには何なにがあったのでしょうか。この問いといに対してにたいして、科学かがく者しゃたちはいろいろな仮説かせつを考えかんがえています。たとえば、宇宙うちゅうは何なん度ども生まれ変わっうまれかわっているという「循環じゅんかん宇宙うちゅう」や、私わたしたちの宇宙うちゅう以外いがいにもたくさんの宇宙うちゅうがある「マルチバース」という考えかんがえです。[2] また、量子りょうしのゆらぎから宇宙うちゅうが生まれうまれたという説せつもあります。[3] さらに、ダークマターが前まえの宇宙うちゅうのブラックホールなのだという仮説かせつも提案ていあんされています。[5]

しかし、これらの仮説かせつを証明しょうめいする方法ほうほうはまだありません。そして何よりなにより、ビッグバンで時間じかんが始まっはじまったとすれば、「ビッグバンの前まえ」という問いといそのものが意味いみを持たもたないかもしれません。[3] 宇宙うちゅうの始まりはじまりを説明せつめいしようとすると、私わたしたちは時間じかんというものの本質ほんしつを問いとい直すなおすことになります。[2]

科学かがくはまだ、宇宙うちゅうの始まりはじまりを完全かんぜんに説明せつめいできる段階だんかいにはありません。しかし、研究けんきゅうは進みすすみ続けつづけています。宇宙うちゅうの謎なぞは、私わたしたちの理解りかいを超えこえたところにあるのではなく、私わたしたちの問いとい方かたそのものの中なかにあるのかもしれません。[2]

以上いじょう、田中たなかがお伝えおつたえしました。

スタジオから

こんばんは。田中たなか将すすむです。今夜こんやは、私わたしたちの宇宙うちゅうの始まりはじまりについて、最新さいしんの科学かがくがどこまで解き明かしときあかしているのかを深くふかく掘り下げほりさげます。ビッグバンは138億おく年ねん前まえに何なにが起きおきたのか? そして、そもそも「時間じかんが始まるはじまる」とはどういうことなのか? 壮大そうだいな謎なぞに迫りせまります。

第1章: ビッグバン理論が描く宇宙の夜明け

宇宙うちゅうが膨張ぼうちょうしていることは、1920年代ねんだいのハッブルの観測かんそくで明らかあきらかになりました。[3] その膨張ぼうちょうを逆ぎゃくにたどると、すべての物質ぶっしつとエネルギーは一いち点てんに集まっあつまっていたことになります。これがビッグバン理論りろんの基本きほん的てきな考え方かんがえかたです。理論りろんによると、宇宙うちゅうは約やく138億おく年ねん前まえに、超ちょう高密度こうみつど・超ちょう高温こうおんの状態じょうたいから膨張ぼうちょうを始めはじめました。[3][4]

では、誕生たんじょう直後ちょくごの宇宙うちゅうはどのような姿すがただったのでしょうか。誕生たんじょうからわずか3分ふん後ご、宇宙うちゅうは冷えひえて、最初さいしょの元素げんそである水素すいそやヘリウムが作らつくられました。[6] しかし、宇宙うちゅうがまだ熱くあつく、電子でんしが飛び回っとびまわっていたため、光ひかりはまっすぐ進めすすめませんでした。いわば濃いこい霧きりの中なかのような状態じょうたいです。[2] この霧きりが晴れはれたのは、誕生たんじょうから約やく38万まん年ねん後ご。宇宙うちゅうが冷えひえ、電子でんしと原子核げんしかくが結びついむすびついて原子げんしができたためです。その時ときに放たはなたれた光ひかりが、現在げんざい「宇宙うちゅうマイクロ波は背景はいけい放射ほうしゃ」として観測かんそくされています。[2][4] これはいわば、宇宙うちゅうの最ももっとも古いふるい「写真しゃしん」です。

しかし、この写真しゃしんは誕生たんじょう直後ちょくごのものではありません。光ひかりで直接ちょくせつ見るみることができる最古さいこの時代じだいは、すでに38万まん年ねんが経過けいかした宇宙うちゅうです。[2] では、それ以前いぜんの宇宙うちゅうはどうだったのか? そして、まさに始まりはじまりの瞬間しゅんかんは何なにが起きおきたのか? ここに現代げんだい宇宙うちゅう論ろんの大きなおおきな壁かべがあります。

第2章: 時間が始まるとはどういうことか?

ビッグバン理論りろんは、宇宙うちゅうの進化しんかをうまく説明せつめいしますが、始まりはじまりの原因げんいんそのものは説明せつめいしていません。[3] 実はじつは、時間じかんや空間くうかん、エネルギーがどのように生じしょうじたのかは、まだ未み解決かいけつの問題もんだいなのです。[3] さらに深刻しんこくなのは、宇宙うちゅうの始まりはじまりを物理ぶつり学がくで記述きじゅつしようとすると、「時間じかん」という概念がいねん自体じたいが崩れくずれてしまうことです。

たとえば、宇宙うちゅう全体ぜんたいを量子りょうし的てきに扱うあつかう理論りろんでは、時間じかんが基本きほん方程式ほうていしきから消えきえてしまうことがあります。その代表だいひょう例れいが、ホイーラー・デウィット方程式ほうていしきです。[2] この方程式ほうていしきによれば、宇宙うちゅうの外そとに観測かんそく者しゃがいないため、時間じかんは普遍ふへん的てきなものではなくなるのです。また、スティーブン・ホーキング博士はかせらが提唱ていしょうした「無む境界きょうかい仮説かせつ」では、宇宙うちゅうの始まりはじまりは境界きょうかいではなく、地球ちきゅうの北極ほっきょくのようなものと考えかんがえます。北極ほっきょくは特別とくべつな点てんですが、地面じめんが途切れとぎれているわけではありません。同じおなじように、宇宙うちゅうにも始まりはじまりはあっても、それは時間じかんの端はじではないかもしれないのです。[2]

こうした議論ぎろんから、物理ぶつり学がくは「ビッグバン以前いぜんには時間じかんが存在そんざいしなかった」という可能かのう性せいを示唆しさしています。[3] つまり、「宇宙うちゅうはどのように始まっはじまったか?」という問いといは、「時間じかんが始まるはじまるとは何なにを意味いみするのか?」という、より深いふかい謎なぞに変わるかわるのです。[2]

第3章: 観測が突きつける新たなパズル

理論りろんだけでなく、最新さいしんの観測かんそくも私わたしたちに驚きおどろきを与えあたえています。欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかんのユークリッド宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうは、最近さいきん、宇宙うちゅうがまだ5%も経ったっていない時代じだい、ビッグバンから約やく6億おく7000万まん年ねん後ごに輝いかがやいていたクエーサーを31個こも発見はっけんしました。[1] クエーサーとは、銀河ぎんがの中心ちゅうしんにある超ちょう巨大きょだいブラックホールが周囲しゅういのガスを飲み込みのみこみ、太陽たいよう1兆ちょう個こ分ぶんもの光ひかりを放つはなつ天体てんたいです。[1]

問題もんだいは、このような巨大きょだいなブラックホールが、標準ひょうじゅん的てきなモデルで予想よそうされるよりもはるかに速くはやく成長せいちょうしているように見えるみえることです。[1] 若くわかくて小さなちいさな宇宙うちゅうで、いったいどのようにしてこれほどの重力じゅうりょくの怪物かいぶつが生まれうまれたのか? 研究けんきゅう者しゃたちは、この発見はっけんが天体てんたい物理ぶつり学がくの根本こんぽん的てきな謎なぞをさらに深めふかめていると指摘してきしています。[1] 宇宙うちゅうの「夜明けよあけ」の時代じだいに、私わたしたちの想像そうぞうを超えこえた急激きゅうげきな進化しんかが起きおきていたのかもしれません。

第4章: 未来への問い—私たちは始まりを理解できるのか

宇宙うちゅうの始まりはじまりを完全かんぜんに理解りかいするには、アインシュタインの一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんと量子力学りょうしりきがくを統一とういつする「量子りょうし重力じゅうりょく理論りろん」が必要ひつようです。しかし、そのような理論りろんはまだ完成かんせいしていません。[3] ビッグバンから約やく10のマイナス15乗じょう秒びょう以前いぜんの状態じょうたいを検証けんしょうできる理論りろんがなく、これは物理ぶつり学がく最大さいだいの未み解決かいけつ問題もんだいの一つひとつです。[3] 特異とくい点てん、つまり密度みつどや温度おんどが無限むげん大だいになる点てんでは、物理ぶつり法則ほうそくが破綻はたんしてしまいます。[7]

循環じゅんかん宇宙うちゅうやマルチバース(多た宇宙うちゅう)といった仮説かせつも存在そんざいしますが、決定的けっていてきな証拠しょうこはありません。[2] もしかすると、私わたしたちの直感ちょっかんは宇宙うちゅうの成り立ちなりたちを理解りかいするのに向いむいていないのかもしれません。宇宙うちゅうは、人間にんげんが物語ものがたりに始まりはじまりを求めるもとめるようにはできていないのです。[2]

今夜こんやの話はなしが示すしめすように、現代げんだい宇宙うちゅう論ろんが直面ちょくめんしている最大さいだいの謎なぞは、「最初さいしょに何なにがあったのか」ではなく、「時間じかんが始まるはじまるとは何なにを意味いみするのか」なのかもしれません。[2] それは、私わたしたち自身じしんの問いとい方かたそのものを問いとい直すなおす旅たびでもあるのです。

スタジオから

宇宙うちゅうの始まりはじまりを説明せつめいすることは、まだ私わたしたちの科学かがくの限界げんかいを超えこえています。しかし、その探求たんきゅうは、時間じかんというものの本質ほんしつにまで私わたしたちを導いみちびいてくれます。今夜こんやの特集とくしゅうはいかがでしたか? 以上いじょう、田中たなか将すすむがお伝えおつたえしました。

スタジオより

こんばんは。ニュースの時間じかんです。キャスターの田仲たなかです。

宇宙うちゅうはどのように始まっはじまったのか──誰だれもが一いち度どは抱くいだく根源こんげん的てきな問いといです。しかし、現代げんだい宇宙うちゅう論ろんが到達とうたつした答えこたえは、私わたしたちの直感ちょっかんに挑むいどむものです。今夜こんやは、宇宙うちゅう誕生たんじょうの瞬間しゅんかんに潜むひそむ「時間じかん」の深遠しんえんな謎なぞに迫りせまります。

第1章: ビッグバン理論──その輝かしい成功と限界

ビッグバン理論りろんは、宇宙うちゅうが超ちょう高密度こうみつど・超ちょう高温こうおんの初期しょき状態じょうたいから膨張ぼうちょうを始めはじめたことを示ししめし、軽けい元素げんその存在そんざい比ひや宇宙うちゅうマイクロ波は背景はいけい放射ほうしゃ(CMB)、銀河ぎんがの赤あか方偏かたへん移うつりなど、数すう多くおおくの観測かんそく事実じじつを鮮やかあざやかに説明せつめいします。現在げんざい、宇宙うちゅうの年齢ねんれいは約やく138億おく年ねんと推定すいていされ、ビッグバンは広くひろく受け入れうけいれられた描像ぞうです。[3][4]

しかし、ひとつ注意ちゅういすべき点てんがあります。ビッグバンモデルは、時間じかんや空間くうかん、エネルギーが「なぜ存在そんざいするのか」を説明せつめいするものではなく、あくまでとてつもなく高温こうおん・高密度こうみつどの初期しょき状態じょうたいから現在げんざいの宇宙うちゅうが生まれうまれた過程かていを記述きじゅつしているに過ぎすぎません。[3] つまり、私わたしたちが本当にほんとうに知りしりたい「始まりはじまりそのもの」には答えこたえてくれないのです。

第2章: 最初の壁──38万年の「霧」

光ひかりの速はやさは有限ゆうげんであるため、遠くとおくを見るみることは過去かこを見るみることに等しいひとしい。ならば望遠鏡ぼうえんきょうの性能せいのうを上げれあげれば、宇宙うちゅう誕生たんじょうの瞬間しゅんかんまで遡れるさかのぼれるのでしょうか? 実はじつは、そこには大きなおおきな壁かべが立ちはだかりたちはだかります。

宇宙うちゅうが始まっはじまってから約やく38万まん年ねん後ご、ようやく電子でんしと原子核げんしかくが結びついむすびついて中性ちゅうせい原子げんしが形成けいせいされると、それまでプラズマの「霧きり」に遮らさえぎられていた光ひかりがまっすぐ進めるすすめるようになりました。このとき放たはなたれた光ひかりが、現在げんざい我々われわれがCMBとして観測かんそくする電波でんぱです。[2] CMBは宇宙うちゅう最古さいこの光ひかりですが、それは誕生たんじょうから38万まん年ねん後ご、すでに赤ん坊あかんぼうを卒業そつぎょうした宇宙うちゅうの姿すがたなのです。[2][6] つまり、電磁波でんじはによる観測かんそくでは、この壁かべより奥おくを直接ちょくせつ見るみることはできません。

第3章: 物理法則が破綻する──プランク時代

では、観測かんそくを超えこえ理論りろんで迫ろせまろうとすると、何なにが起きるおきるのか。アインシュタインの一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんに基づいもとづいて宇宙うちゅう膨張ぼうちょうを過去かこへさかのぼらせると、有限ゆうげん時間じかんの過去かこに密度みつどと温度おんどが無限むげん大だいとなる「特異とくい点てん」に行き着きいきつきます。しかし、これは古典こてん的てきな重力じゅうりょく理論りろんの破綻はたんを意味いみしており、物理ぶつり学者がくしゃはこのような極限きょくげん状態じょうたいを正しくただしく記述きじゅつするには量子りょうし重力じゅうりょく理論りろんが必要ひつようだと考えかんがえています。[3][4]

特にとくに、宇宙うちゅうが始まっはじまってから10⁻⁴³秒びょうにも満たみたない「プランク時間じかん」より前まえの時代じだいについては、検証けんしょう可能かのうなモデルがほとんど存在そんざいせず、現代げんだい物理ぶつり学がく最大さいだいの未み解決かいけつ問題もんだいのひとつとされています。[3][4] ここでは、時間じかんと空間くうかんの概念がいねんそのものが意味いみを失ううしなうかもしれないのです。

第4章: 時は創発するのか──量子宇宙論の挑戦

近年きんねんの量子りょうし重力じゅうりょく理論りろんの研究けんきゅうは、時間じかんに対するにたいする私わたしたちの根本こんぽん的てきな見直しみなおしを迫りせまります。例えばたとえば、宇宙うちゅう全体ぜんたいを量子りょうし的てきに扱うあつかうWheeler-DeWitt方程式ほうていしきには、時間じかん変数へんすうが登場とうじょうしません。[2][3] これは、宇宙うちゅうには「外側そとがわ」がなく、外部がいぶの時計とけいで宇宙うちゅうの変化へんかを計るはかることが原理げんり的てきに不可能ふかのうであることの表れあらわれです。[2]

さらに、故こスティーヴン・ホーキングらが提唱ていしょうした「無む境界きょうかい仮説かせつ」では、宇宙うちゅうの始まりはじまりは地球ちきゅうの北極ほっきょくのようなものと例えたとえられます。北極ほっきょくは特別とくべつな点てんですが、そこに地面じめんの切れ目きれめはありません。同じおなじように、宇宙うちゅうに始まりはじまりはあっても、それは時間じかんの「端はじ」ではないのかもしれない、という大胆だいたんな発想はっそうです。[2]

こうした理論りろんは、時間じかんが根本こんぽん的てきではなく、より基本きほん的てきな何なにかから「創発そうはつ」する性質せいしつである可能かのう性せいを示唆しさします。すなわち、ビッグバン以前いぜんにはそもそも時間じかんが存在そんざいしなかったと考えるかんがえることもできるのです。[3]

第5章: 観測が深める謎──古代クエーサーとブラックホールの急成長

こうした根源こんげん的てき問いといに加えくわえ、最先端さいせんたん観測かんそくが新たあらたな謎なぞを投げかけなげかけています。欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかんのユークリッド宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうは最近さいきん、ビッグバンからわずか6億おく7000万まん年ねん後ご、宇宙うちゅう年齢ねんれいが現在げんざいの5%にも満たみたない時代じだいに輝くかがやく31個この古代こだいクエーサーを発見はっけんしました。[1] クエーサーとは、超ちょう大だい質量しつりょうブラックホールに落ち込むおちこむガスが激しくはげしく光るひかる天体てんたいです。[1]

この発見はっけんで、既知きちの最さい遠方えんぽうクエーサーの数かずは倍増ばいぞうしましたが、同時にどうじに深刻しんこくなパズルも浮上ふじょうしました。標準ひょうじゅん理論りろんでは、それほど短いみじかい時間じかん内ないにここまで巨大きょだいなブラックホールが成長せいちょうすることは極めてきわめて困難こんなんなのです。[1] 私わたしたちの理解りかいを超えこえた初期しょき宇宙うちゅうの物理ぶつりが隠れかくれているのかもしれません。

また、ある仮説かせつはダークマターの正体しょうたいをビッグバン以前いぜんに存在そんざいした原始げんしブラックホールに求めもとめます。これが正しけれただしければ、ダークマターは「前まえの宇宙うちゅう」の遺産いさんということになり、宇宙うちゅうは一いち度どの爆発ばくはつではなく、「リバウンド」を繰り返しくりかえしてきた可能かのう性せいも視野しやに入りはいります。[5]

第6章: 始まりを問うということ

結局けっきょくのところ、「世界せかいの始まりはじまり」とは何なになのでしょうか。私わたしたちは物語ものがたりに始まりはじまりを求めもとめ、原因げんいんを探りさぐり、第一歩だいいっぽを知りしりたがります。しかし、宇宙うちゅうは人間にんげんの直感ちょっかんに合わせあわせてできてはいないのです。[2]

宇宙うちゅう論ろんが突き当たっつきあたっている最大さいだいの謎なぞは、「最初さいしょに何なにがあったのか」ではなく、「時間じかんが始まるはじまるとは何なにを意味いみするのか」なのかもしれません。[2] この問いといは、物理ぶつり学がくの限界げんかいを超えこえ、私わたしたちの思考しこうの枠組みわくぐみそのものを揺さぶりゆさぶります。

専門家の声

オランダ・ライデン大学だいがくのダミン・ヤン氏しらは、今回こんかいのクエーサー発見はっけんについて「機械きかい学習がくしゅうを用いもちいて数すう百ひゃく万まんの光源こうげんから候補こうほを絞り込みしぼりこみ、ハワイのケック天文台てんもんだいで確認かくにんしました」と語りかたり、今後こんごの集団しゅうだん研究けんきゅうの幕開けまくあけを強調きょうちょうしました。[1] また、ポーツマス大学だいがくの研究けんきゅう者しゃは「データに基づくもとづく検証けんしょうが必要ひつようですが、宇宙うちゅうがリバウンドした可能かのう性せいは広大こうだいです」とコメントしています。[5]

エンディング

宇宙うちゅうの始まりはじまりをめぐる旅たびは、時間じかんの本質ほんしつへと私わたしたちを誘いさそいます。それは、科学かがくの枠わくを超えこえた深いふかい哲学てつがく的てき問いといでもあります。今夜こんやの特集とくしゅうが、皆さんみなさんにとって考えるかんがえるきっかけとなれば幸いさいわいです。

以上いじょう、田仲たなかがお伝えおつたえしました。

Sources7

Yominews stories are original Japanese adaptations of credited reporting, written with AI assistance at several JLPT levels and reviewed by a person before they are published. Read the full reporting at the sources above to support the original publishers.

質問しつもん

Questions & answers

What is "Can We Explain the Beginning of the Universe? The Mystery of Time That Cosmology Faces" about?

A deep dive into the cosmic puzzle of time and what existed before the Big Bang.

What JLPT level is this Japanese news story?

This story is written at JLPT N4, N3 and N1. Yominews rewrites the same news at several JLPT levels with furigana over the kanji, so you can read it at your level and switch levels with the tabs on the page. Reading is free and needs no account.

Where does this Japanese news story come from?

This is an original Japanese-language adaptation written by Yomimaru for learners, based on reporting from finance.biggo.jp, karapaia.com, en.wikipedia.org and other outlets. It is not a republished source article; the original reporting is linked in the sources.

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